2013年06月18日
2時間ドラマ『娘という名の他人』(ネタバレあり)
たまにドラマの話でも。
CSを入れているとなにげに昔のドラマを見てしまいますねぇ。本当は私自身はバラエティ派なのですが、それでも何個か好きだったドラマがある訳です。何故か我が家ではBSの導入が後発で、そこでも古いドラマが放送されたりしてそれで近年になって変にドラマにはまるときがあったりします。
最近のドラマも見て無くはないんですよ。最近よく見てたのが先日最終回だった『刑事110キロ』。自分でも何ではまったのかよくわからなかったんですが、とある時に脚本の方を見てみると尾西兼一さんが執筆されていました。この方、私のツボの『太陽にほえろ!』の脚本をされていて、それでか!と納得。結局どこまでもなつかしドラマから離れられない自分を露呈する羽目に(笑)
そんなもんで沖雅也さんとか露口茂さんとか要注目は一昔前の俳優さんだったりする、という話は当ブログでも既出のお話です。
で、今回はその露口さんが主演されていた2時間ドラマのお話。
CSを入れているとなにげに昔のドラマを見てしまいますねぇ。本当は私自身はバラエティ派なのですが、それでも何個か好きだったドラマがある訳です。何故か我が家ではBSの導入が後発で、そこでも古いドラマが放送されたりしてそれで近年になって変にドラマにはまるときがあったりします。
最近のドラマも見て無くはないんですよ。最近よく見てたのが先日最終回だった『刑事110キロ』。自分でも何ではまったのかよくわからなかったんですが、とある時に脚本の方を見てみると尾西兼一さんが執筆されていました。この方、私のツボの『太陽にほえろ!』の脚本をされていて、それでか!と納得。結局どこまでもなつかしドラマから離れられない自分を露呈する羽目に(笑)
そんなもんで沖雅也さんとか露口茂さんとか要注目は一昔前の俳優さんだったりする、という話は当ブログでも既出のお話です。
で、今回はその露口さんが主演されていた2時間ドラマのお話。
タイトルは『娘という名の他人』。多分あまり知られていないドラマだと思います。このドラマをネタにしようと思ったのは、実は今月のはじめ、このドラマが地元テレビ局(地上波)で放送されたからなんです。
露口茂さん。実はつい最近とある女性誌に現在の状況が出てファンの間ではちょっと話題になったのですが、現在ご健在であるものの、ドラマ等へのご出演は今のところご本人のご意志でかなわないとのこと。だからだからもう20年弱は作品にはお出になっていないということになるでしょうか。
それくらい前の作品となると放送禁止の用語や事象のために地上波の放送がかなわない作品が多くなってきます。同じ地上波でも独立系UHF局といわれるキー局に入っていない地方局だと『太陽にほえろ!』や必殺シリーズの初期バージョンが放送されるケースがあるのですが、キー局傘下の地方局だとなかなか難しいものがあります。
その露口さんの作品がまさか地元地上波で放送される!…もう心沸き立ちまして(^^;)
平日昼の1時からの放送なのでもちろん録画ですが、チューナーの地上波の番組表から録画予約できるというのはなんかわかりませんが妙に嬉しかったものです。
さて、長々と前置きしましたが、ここからはドラマのお話。
まずはあらすじですが、それは手を抜いてこちらから(笑)
露口さんが演じるのは三村禄郎(ろくろう、ロクさんと呼ばれている)という福島は会津若松南署に勤める初老の刑事。露口さんで刑事というと真っ先に「山さん」を思い出してしまいますが、鋭い推理や洞察力を持つ山さんとは違い今回は雰囲気的に叩き上げな感じ。『太陽にほえろ!』でいうならむしろ「長さん」という感じでしょうか。話す言葉も東北訛りで柔らかく素朴な感じを受けます。
そのロクさんの元に東京に住む娘が殺人を犯したという知らせが入ります。
愕然とするロクさんと妻の浅子さん。
この順子という娘は3年前に妻子ある人を好きになってしまい、それをロクさんに(当然)とがめられ、ほぼ駆け落ち状態で家を出てしまいます。でその被害者というのがその駆け落ち相手という…
駆け落ちで出て行ったとはいえ、娘が殺人なんて信じられないロクさんは自分で順子さんの身近な人物から聞き込みを始めますが…
この物語の要は犯人が誰かとかそういうことじゃないと思います。
ハッキリ言ってしまえば刑事物にはありがちな「誰かをかばって犯人になる」「真犯人をつきとめて真実を露わにする」というのが筋になりますが、注目していくべきはロクさん夫婦と娘の関係。
独立したお子さんをお持ちのご家庭では思い当たる節があると思います。ずっと子供だと思っていた娘や息子が自分と離れて暮らして、実は自分が思ってもみない暮らしぶりをしている。この物語の順子さんは、駆け落ち相手が会社を自分で設立したものの資金繰りがうまくいかず借金を抱えてしまい、そのため生活資金を稼ぐのに昼の仕事とは別に夜はホステスとして店に働きに出かけます。
そのことをはじめて知って驚くロクさん。浅子さんも住んでいる家などは知らせてもらっていましたが、ここまで苦しい生活をしていたとは知らなかったようです。
子供の立場としても、親にさえ知られたくないプライベートな部分がある…皆さんも覚えがあると思います。順子さんは父親が刑事ということもあって、その辺は特にナーバスで、東京での面会の際も父親には会いたくないと断固拒否をします。
物語中盤、娘の起訴が決まってしまい荒れるロクさん。
地元警察署には辞表を提出し、夜の居酒屋で酒を飲んでつぶれていくロクさんが切ない…(・_・、)しまいにはそぼ降る雨の中、道に倒れてしまいます…
そこへ奥さんが娘との思い出の中からタートルネックのセーターのことを思い出します。
首が痒くなるから娘はタートルネックを着ない…事件当時娘が着ていたのはタートルネック。
娘の持ち物では無いのではないか?
そのタートルネックのセーターの真の持ち主を探すため、ロクさんは都内のクリーニング屋を一つ一つ歩きます。
そのシーンはちょっと冗長と思えるほど長いのですが、逆にそれを見たことがあるとの証言が出てきたときに思わずロクさんと一緒に浮き立ってしまうワタクシ(^^;)
刑事というよりも父として娘にしてやれる最大限のことをしてやりたい、というそんな気持ちも伝わってきます。
そして真犯人へたどり着くわけですが…
物語についてはここまでにして、キャストに関してもわりと自分的にはツボでした。
妻・浅子を演じた長内美那子さん。これがまた露口さん同様お芝居がうまいというか、この二人の夫婦関係がまた良いんですよ。きちんと夫を助けて、また娘を誰よりも愛しているという母親の愛情も見所です。
山西道広さんというとツボの方もいらっしゃるでしょうか。『探偵物語』や『あぶない刑事』なんていうと喜ぶ方も多いと思います。今回こちらも刑事ですが、こちらは新宿の担当刑事さん。一番最初に話を聞きに来た浅子さんにちょっと強く当たるのですが、旦那が同業者と聞いて優しくなります(^^;)。でもロクさん達に色々世話も焼いてくれます。
長門裕之さんを見て「ホームズとワトソンじゃん(^^;)」と突っ込んだワタクシ( ̄▽ ̄;)。1994年の作品ですから多分NHK(グラナダ版ともいわれる)の『シャーロック・ホームズの冒険』のワトソンは演者さんも吹き替えの方ももう2代目に入ってるはずなので、この時は吹き替えコンビは解消しているはずですが、やはりホームズも見ていたワタクシとしてはつい「久しぶりだなワトソン君」と露口さんが言ってくれないかと思ってしまいます(^^;)。長門さんの今回の役どころはロクさんの上司。出番は少なめですがロクさんを刑事として信頼している風がうかがえます。
そしてもう一人が生田智子さん。ピーンときたあなたはサッカーファンでしょうか?今や本名・中山智子。昨シーズン現役引退を宣言した「ゴン」こと中山雅史さんの奥様でございます。ご結婚前の最後の方の作品なんでしょうかね?作中ではロクさんの娘・順子との縁が深いお友達の役で、露口さんとのご共演シーンも多いです。
そして露口さん。
露口さんが演じる役というのは強気な役が多く、困難に立ち向かうヒーロー的な感じのものが多いのですが、このロクさんに関しては職業こそ刑事ですが、「一人娘を思う一人の父親」というイメージの強い役です。心理的に強いわけではありませんが、娘を助けたい、信じたい気持ちはひしひしと伝わってきます。
その父の思いが最終的に地元に帰ってきた娘に「ごめんなさい」と言わせる…
でも父はそれに「うん」と答えただけで、黙って娘の荷物を自分の乗ってきた自転車の荷台へくくりつけます。
派手さの無い地味とも思えるストーリーですが、人の温かさが余韻として残る良いドラマだと思いました。
こんなマイナーな作品を地上波で流してくれたTVhさんには本当に感謝したいと思います。
また機会があったらぜひ地上波で昔の作品を見たいものですね。
露口茂さん。実はつい最近とある女性誌に現在の状況が出てファンの間ではちょっと話題になったのですが、現在ご健在であるものの、ドラマ等へのご出演は今のところご本人のご意志でかなわないとのこと。だからだからもう20年弱は作品にはお出になっていないということになるでしょうか。
それくらい前の作品となると放送禁止の用語や事象のために地上波の放送がかなわない作品が多くなってきます。同じ地上波でも独立系UHF局といわれるキー局に入っていない地方局だと『太陽にほえろ!』や必殺シリーズの初期バージョンが放送されるケースがあるのですが、キー局傘下の地方局だとなかなか難しいものがあります。
その露口さんの作品がまさか地元地上波で放送される!…もう心沸き立ちまして(^^;)
平日昼の1時からの放送なのでもちろん録画ですが、チューナーの地上波の番組表から録画予約できるというのはなんかわかりませんが妙に嬉しかったものです。
さて、長々と前置きしましたが、ここからはドラマのお話。
まずはあらすじですが、それは手を抜いてこちらから(笑)
地方の刑事の禄郎(露口茂)と妻の浅子(長内美那子)は、上京中の娘・順子(及川麻衣)が人を殺したと知り驚愕。順子は犯行を全面自供しており、起訴は間近。娘の無実を信じたい二人は上京。順子の身近な人物から捜...出典:テレビドラマデータベース
露口さんが演じるのは三村禄郎(ろくろう、ロクさんと呼ばれている)という福島は会津若松南署に勤める初老の刑事。露口さんで刑事というと真っ先に「山さん」を思い出してしまいますが、鋭い推理や洞察力を持つ山さんとは違い今回は雰囲気的に叩き上げな感じ。『太陽にほえろ!』でいうならむしろ「長さん」という感じでしょうか。話す言葉も東北訛りで柔らかく素朴な感じを受けます。
そのロクさんの元に東京に住む娘が殺人を犯したという知らせが入ります。
愕然とするロクさんと妻の浅子さん。
この順子という娘は3年前に妻子ある人を好きになってしまい、それをロクさんに(当然)とがめられ、ほぼ駆け落ち状態で家を出てしまいます。でその被害者というのがその駆け落ち相手という…
駆け落ちで出て行ったとはいえ、娘が殺人なんて信じられないロクさんは自分で順子さんの身近な人物から聞き込みを始めますが…
この物語の要は犯人が誰かとかそういうことじゃないと思います。
ハッキリ言ってしまえば刑事物にはありがちな「誰かをかばって犯人になる」「真犯人をつきとめて真実を露わにする」というのが筋になりますが、注目していくべきはロクさん夫婦と娘の関係。
独立したお子さんをお持ちのご家庭では思い当たる節があると思います。ずっと子供だと思っていた娘や息子が自分と離れて暮らして、実は自分が思ってもみない暮らしぶりをしている。この物語の順子さんは、駆け落ち相手が会社を自分で設立したものの資金繰りがうまくいかず借金を抱えてしまい、そのため生活資金を稼ぐのに昼の仕事とは別に夜はホステスとして店に働きに出かけます。
そのことをはじめて知って驚くロクさん。浅子さんも住んでいる家などは知らせてもらっていましたが、ここまで苦しい生活をしていたとは知らなかったようです。
子供の立場としても、親にさえ知られたくないプライベートな部分がある…皆さんも覚えがあると思います。順子さんは父親が刑事ということもあって、その辺は特にナーバスで、東京での面会の際も父親には会いたくないと断固拒否をします。
物語中盤、娘の起訴が決まってしまい荒れるロクさん。
地元警察署には辞表を提出し、夜の居酒屋で酒を飲んでつぶれていくロクさんが切ない…(・_・、)しまいにはそぼ降る雨の中、道に倒れてしまいます…
そこへ奥さんが娘との思い出の中からタートルネックのセーターのことを思い出します。
首が痒くなるから娘はタートルネックを着ない…事件当時娘が着ていたのはタートルネック。
娘の持ち物では無いのではないか?
そのタートルネックのセーターの真の持ち主を探すため、ロクさんは都内のクリーニング屋を一つ一つ歩きます。
そのシーンはちょっと冗長と思えるほど長いのですが、逆にそれを見たことがあるとの証言が出てきたときに思わずロクさんと一緒に浮き立ってしまうワタクシ(^^;)
刑事というよりも父として娘にしてやれる最大限のことをしてやりたい、というそんな気持ちも伝わってきます。
そして真犯人へたどり着くわけですが…
物語についてはここまでにして、キャストに関してもわりと自分的にはツボでした。
妻・浅子を演じた長内美那子さん。これがまた露口さん同様お芝居がうまいというか、この二人の夫婦関係がまた良いんですよ。きちんと夫を助けて、また娘を誰よりも愛しているという母親の愛情も見所です。
山西道広さんというとツボの方もいらっしゃるでしょうか。『探偵物語』や『あぶない刑事』なんていうと喜ぶ方も多いと思います。今回こちらも刑事ですが、こちらは新宿の担当刑事さん。一番最初に話を聞きに来た浅子さんにちょっと強く当たるのですが、旦那が同業者と聞いて優しくなります(^^;)。でもロクさん達に色々世話も焼いてくれます。
長門裕之さんを見て「ホームズとワトソンじゃん(^^;)」と突っ込んだワタクシ( ̄▽ ̄;)。1994年の作品ですから多分NHK(グラナダ版ともいわれる)の『シャーロック・ホームズの冒険』のワトソンは演者さんも吹き替えの方ももう2代目に入ってるはずなので、この時は吹き替えコンビは解消しているはずですが、やはりホームズも見ていたワタクシとしてはつい「久しぶりだなワトソン君」と露口さんが言ってくれないかと思ってしまいます(^^;)。長門さんの今回の役どころはロクさんの上司。出番は少なめですがロクさんを刑事として信頼している風がうかがえます。
そしてもう一人が生田智子さん。ピーンときたあなたはサッカーファンでしょうか?今や本名・中山智子。昨シーズン現役引退を宣言した「ゴン」こと中山雅史さんの奥様でございます。ご結婚前の最後の方の作品なんでしょうかね?作中ではロクさんの娘・順子との縁が深いお友達の役で、露口さんとのご共演シーンも多いです。
そして露口さん。
露口さんが演じる役というのは強気な役が多く、困難に立ち向かうヒーロー的な感じのものが多いのですが、このロクさんに関しては職業こそ刑事ですが、「一人娘を思う一人の父親」というイメージの強い役です。心理的に強いわけではありませんが、娘を助けたい、信じたい気持ちはひしひしと伝わってきます。
その父の思いが最終的に地元に帰ってきた娘に「ごめんなさい」と言わせる…
でも父はそれに「うん」と答えただけで、黙って娘の荷物を自分の乗ってきた自転車の荷台へくくりつけます。
派手さの無い地味とも思えるストーリーですが、人の温かさが余韻として残る良いドラマだと思いました。
こんなマイナーな作品を地上波で流してくれたTVhさんには本当に感謝したいと思います。
また機会があったらぜひ地上波で昔の作品を見たいものですね。
Posted by いこう斎 at 14:36│Comments(0)
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