2009年12月08日
沖雅也さんに想う

沖雅也さんが俳優さんでは大好きだ、と少し前に書いたんですが、格好いいのは確かにあるんですけど、この人に関してはやっぱり色々と思い入れがありまして…
…今回のエントリーも長くなりそうだ…(^^;)
ちなみに写真ですが、長谷直美さんをご紹介いただいた際お世話になったかわだわかさんの著書『沖雅也と「大追跡」―70年代が生んだアクションの寵児』(題字は『大追跡』で水原を演じた藤竜也さんのもの)と、『大追跡』DVD-BOXの第5巻。沖さんが演じた矢吹がパッケージなので。
その時に書いたんですけど、はまった直接原因は再放送で見た『俺たちは天使だ!』の「キャプテン」麻生雅人役。とにかく格好いいんですけど、その二枚目の顔に似合わず壊れたベッドの下敷きになるわ、マイカーの窓枠に頭をぶつけて悶絶するわ、その車をマンションの壁にぶつけて駐めるわ(ひどいときは警察の車にまでぶつける)、その「三枚目ぶり」が非常にツボに入って、好きだ、っていうより、惚れた(今風に言うなら「萌えた」(笑))感じでしたね。
ドラマ中に出てきた「キザニマ」っていう言い方がこれまたはまる。「キザな二枚目」の略なんですが、略したことで変にコミカルな感じになるわけで、その「キザニマぶり」が大好きでした。
好きになると調べたくなる、っていう変な性分が自分にはあって、好きになった当時は今から10年以上前。ビデオなどのソフトは充実し始めていたんですが、それ以外の情報となると集めるのが大変。まわりに詳しい方もいませんし、ネットなんてものが今のように誰でも簡単に使えるようなご時世じゃなかったもので、私が執った手段というのが「新聞の縮刷版を漁る」という何とも地味な手段でした。図書館に出かけていってはちまちま縮刷版をめくり、芸能欄やテレビ欄をチェックしていたものです。
そうして調べていくうちに、最終的にはやはり「そこ」にたどり着いてしまいます。
>俳優の沖雅也さん自殺
亡くなった当時(1983年6月28日)は彼のその死について今思うほどの衝撃は受けていませんでした。私がまだまだ幼かったせいもあるのかもしれません。ただ、ぼんやりと「これでスコッチに会えなくなるなぁ」と思ったものです。
『太陽にほえろ!』のスコッチ刑事は番組上ではとっくに殉職していたし、何故そんなことを考えたのかよくわかりませんが、そう思ったんですよね。
それが自分にとって重要な事態になったのが色々調べ始めた時期のこと…まぁ色々考えますよね…
『俺天』の主要キャストは今や名を知らない人はいない程の大俳優さんばかりでそれに嫉妬(?)したのもあるし、いま沖さんが生きていたらもっともっと良い役をやっていたかもしれない、という思いもありましたし、単純に何で死んだんだ?という疑問もありましたし…色々考えるわけです。
「おやじ、涅槃でまってる」
…あまりにも有名な遺書の一節です。縮刷版にも書いてありました。「おやじ」とは沖さんを息子として養子縁組した日景忠男氏のこと、というのも有名です。
ただ、私自身疑問に思ったことが一つあります。
その遺書の署名が「沖雅也」になっているということ。
遺書って本名を使うものじゃないのか?…というのがその時の私の疑問です。
沖さんの遺書はいくつかあるらしく、その中には「沖雅也としてでなく日景城児(沖さんの本名)として、死んでいきます」というのもあって、だったらその有名な遺書も本名で良いんじゃないか、と思うんですが…
みなさんはどう思います?
ここからは私の勝手な推測です。感じ方には個人差があります…と「今夜も生でさだまさし」のような前置きをしてみる(笑)
沖さんの遺書の中には「遺影には『俺たちは天使だ!』の写真を使って欲しい」というものもあったそうです。
『俺天』のキャプテンは沖さんに本当に似ている、という話は後になって知った話です。色んなものを見てみると、準備期間の短さにも要因があった気はします。元々時代劇の予定だったのは前のエントリーで述べたとおりですが、それがドタキャンになったことで役作りする暇を与えなかった。で、急遽コメディー満載の現代劇になっちゃったわけですが、地の芝居ならいけるよ、って話があったらしいです。
そりゃキャプテンはそのまま沖さんになっちゃうわけです。
沖さんにとって『俺天』やその下地になった『大追跡』はクサイ言い方をすれば「青春の1ページ」だったのかな、と考えたりします。
皆さんにも覚えがあるんじゃないでしょうか。
何時間いても飽きなかった場所があったこと。気兼ねしなくて良い仲間がいて、ただ好きなことを仲間と夢中になってやり続けたそんな時間。
16歳で家出してその年には映画デビュー。そこからは役者として邁進し続けた日々。『太陽~』にスコッチ刑事で出たとき、あのメンバーの中では実は最年少で、何か気を張ることで自分を大人に見せることをずっとし続けてきたのかな、という感じもします。
それが、『大追跡』や『俺天』では必要がない。この2作品での沖さんが一番歳相応(正確に言うと『俺天』は探偵事務所のまとめ役なので、もう少し年上っぽく見える)っていう印象を受けます。
無論私自身の「色眼鏡」が含まれていることは確かですが、沖さん自身が楽しんで演じていた現場であったことも間違いのないことです。
そこに自分の存在価値を見つけたとしたら。
…それが私の結論です。色々な過去を背負った青年が、真の自分の姿を見つけたのが『大追跡』であり『俺天』で、だからこそ遺影の写真も、遺書の署名も、彼が一番気に入っていたその時期のものだったんだろうと思います。
そんなことを考えた時から、実は逆に「沖さんが生きていたら…」ということはあまり考えなくなっています。全く意識してない、というのはウソなんですが、かといって今生きていてどんな役をやっていたのか、って事は考えることが出来ません。
そして、亡くなった当時色々噴出した沖さんに対するスキャンダル騒動…それはそれで受け入れていこう、とふと思ったものです。自殺したことにしても確かに良いことでは無いのかもしれない。しかし、それ自体を否定してしまうと「沖雅也」という人間自体が存在しなくなる…
そこにある全てが沖さんのもので、どれ一つとしては欠けてはならない。
その上で、自分の好きなものは「好きだ」と言っていこうと。北海道にいる私にはお墓参りとかは出来ませんが、好きな『俺たちは天使だ!』『大追跡』『太陽にほえろ!』その多諸々の作品を楽しんで、それが好きだ、ということで少しでも多くの人に「沖雅也」という俳優の存在をわかってもらえたらな、などと思ってみたりはするわけです。
…まぁ、ブログはモータースポーツとか北海道のことばっかりですがf(_ _;)m
…いや、一つだけ思ったことがあります。
もしかすると、沖さんと柴田恭兵さんでオシャレな刑事物があったかもしれない、なんて。
沖さんと恭兵さんは仲が良かった、というのも後から知ったことです。そして、沖さんのお葬式で弔辞を述べたのが恭兵さんでした。
その恭兵さんが演じたキャラの台詞の中に好きだ、というか、忘れがたいものがあります。最後にそれを残しておきます。
『大追跡』の第22話に「淳子のミステリー・ゾーン」という風変わりなお話があります。県警にお化け話が持ち込まれ、捜査するように遊撃班に押しつけられるんですが、実はそこに殺人事件が絡んでいるという今では滅多にないパターン(昔はよくあったらしい)の話なんですね。
で、そのラストに恭兵さんが演じる遊撃班の滝本(個人的には長谷さんが演じた結城の呼び方が好きで「滝もっちゃん」と呼んでます)が被害者の女性の妹にこんな台詞を言います。
あのさ…
お姉さん死んじゃったけど、でも…
生きてると思うんスよね。
心の中に。
あんたの…
その後「ちょっとキザだったね。僕わかるんスよ、霊感発達してっから」と照れたように言う滝もっちゃんがなんだか良いんですよね。
まぁこのシーンの後、遊撃班のメンツで明るく「オットー!」って言っちゃうのはわかってるんですけどね、この言葉だけは色々自分の想いが出ちゃいますね…
そうして調べていくうちに、最終的にはやはり「そこ」にたどり着いてしまいます。
>俳優の沖雅也さん自殺
亡くなった当時(1983年6月28日)は彼のその死について今思うほどの衝撃は受けていませんでした。私がまだまだ幼かったせいもあるのかもしれません。ただ、ぼんやりと「これでスコッチに会えなくなるなぁ」と思ったものです。
『太陽にほえろ!』のスコッチ刑事は番組上ではとっくに殉職していたし、何故そんなことを考えたのかよくわかりませんが、そう思ったんですよね。
それが自分にとって重要な事態になったのが色々調べ始めた時期のこと…まぁ色々考えますよね…
『俺天』の主要キャストは今や名を知らない人はいない程の大俳優さんばかりでそれに嫉妬(?)したのもあるし、いま沖さんが生きていたらもっともっと良い役をやっていたかもしれない、という思いもありましたし、単純に何で死んだんだ?という疑問もありましたし…色々考えるわけです。
「おやじ、涅槃でまってる」
…あまりにも有名な遺書の一節です。縮刷版にも書いてありました。「おやじ」とは沖さんを息子として養子縁組した日景忠男氏のこと、というのも有名です。
ただ、私自身疑問に思ったことが一つあります。
その遺書の署名が「沖雅也」になっているということ。
遺書って本名を使うものじゃないのか?…というのがその時の私の疑問です。
沖さんの遺書はいくつかあるらしく、その中には「沖雅也としてでなく日景城児(沖さんの本名)として、死んでいきます」というのもあって、だったらその有名な遺書も本名で良いんじゃないか、と思うんですが…
みなさんはどう思います?
ここからは私の勝手な推測です。感じ方には個人差があります…と「今夜も生でさだまさし」のような前置きをしてみる(笑)
沖さんの遺書の中には「遺影には『俺たちは天使だ!』の写真を使って欲しい」というものもあったそうです。
『俺天』のキャプテンは沖さんに本当に似ている、という話は後になって知った話です。色んなものを見てみると、準備期間の短さにも要因があった気はします。元々時代劇の予定だったのは前のエントリーで述べたとおりですが、それがドタキャンになったことで役作りする暇を与えなかった。で、急遽コメディー満載の現代劇になっちゃったわけですが、地の芝居ならいけるよ、って話があったらしいです。
そりゃキャプテンはそのまま沖さんになっちゃうわけです。
沖さんにとって『俺天』やその下地になった『大追跡』はクサイ言い方をすれば「青春の1ページ」だったのかな、と考えたりします。
皆さんにも覚えがあるんじゃないでしょうか。
何時間いても飽きなかった場所があったこと。気兼ねしなくて良い仲間がいて、ただ好きなことを仲間と夢中になってやり続けたそんな時間。
16歳で家出してその年には映画デビュー。そこからは役者として邁進し続けた日々。『太陽~』にスコッチ刑事で出たとき、あのメンバーの中では実は最年少で、何か気を張ることで自分を大人に見せることをずっとし続けてきたのかな、という感じもします。
それが、『大追跡』や『俺天』では必要がない。この2作品での沖さんが一番歳相応(正確に言うと『俺天』は探偵事務所のまとめ役なので、もう少し年上っぽく見える)っていう印象を受けます。
無論私自身の「色眼鏡」が含まれていることは確かですが、沖さん自身が楽しんで演じていた現場であったことも間違いのないことです。
そこに自分の存在価値を見つけたとしたら。
…それが私の結論です。色々な過去を背負った青年が、真の自分の姿を見つけたのが『大追跡』であり『俺天』で、だからこそ遺影の写真も、遺書の署名も、彼が一番気に入っていたその時期のものだったんだろうと思います。
そんなことを考えた時から、実は逆に「沖さんが生きていたら…」ということはあまり考えなくなっています。全く意識してない、というのはウソなんですが、かといって今生きていてどんな役をやっていたのか、って事は考えることが出来ません。
そして、亡くなった当時色々噴出した沖さんに対するスキャンダル騒動…それはそれで受け入れていこう、とふと思ったものです。自殺したことにしても確かに良いことでは無いのかもしれない。しかし、それ自体を否定してしまうと「沖雅也」という人間自体が存在しなくなる…
そこにある全てが沖さんのもので、どれ一つとしては欠けてはならない。
その上で、自分の好きなものは「好きだ」と言っていこうと。北海道にいる私にはお墓参りとかは出来ませんが、好きな『俺たちは天使だ!』『大追跡』『太陽にほえろ!』その多諸々の作品を楽しんで、それが好きだ、ということで少しでも多くの人に「沖雅也」という俳優の存在をわかってもらえたらな、などと思ってみたりはするわけです。
…まぁ、ブログはモータースポーツとか北海道のことばっかりですがf(_ _;)m
…いや、一つだけ思ったことがあります。
もしかすると、沖さんと柴田恭兵さんでオシャレな刑事物があったかもしれない、なんて。
沖さんと恭兵さんは仲が良かった、というのも後から知ったことです。そして、沖さんのお葬式で弔辞を述べたのが恭兵さんでした。
その恭兵さんが演じたキャラの台詞の中に好きだ、というか、忘れがたいものがあります。最後にそれを残しておきます。
『大追跡』の第22話に「淳子のミステリー・ゾーン」という風変わりなお話があります。県警にお化け話が持ち込まれ、捜査するように遊撃班に押しつけられるんですが、実はそこに殺人事件が絡んでいるという今では滅多にないパターン(昔はよくあったらしい)の話なんですね。
で、そのラストに恭兵さんが演じる遊撃班の滝本(個人的には長谷さんが演じた結城の呼び方が好きで「滝もっちゃん」と呼んでます)が被害者の女性の妹にこんな台詞を言います。
あのさ…
お姉さん死んじゃったけど、でも…
生きてると思うんスよね。
心の中に。
あんたの…
その後「ちょっとキザだったね。僕わかるんスよ、霊感発達してっから」と照れたように言う滝もっちゃんがなんだか良いんですよね。
まぁこのシーンの後、遊撃班のメンツで明るく「オットー!」って言っちゃうのはわかってるんですけどね、この言葉だけは色々自分の想いが出ちゃいますね…
Posted by いこう斎 at 23:57│Comments(5)
│テレビ番組(古いのも)
この記事へのコメント
懐かしいですねぇ~~
俺天も大追跡も見てましたよ(水さん好きだったんで♥)
なんかのきっかけが無いとDVD化されないんでしょうね…
夜中で良いから再再再…放送されないかなぁ~~と思います。
俺天も大追跡も見てましたよ(水さん好きだったんで♥)
なんかのきっかけが無いとDVD化されないんでしょうね…
夜中で良いから再再再…放送されないかなぁ~~と思います。
Posted by のんきーず at 2009年12月12日 13:15
って書いてよ~~~く見たらDVDになってた。アハハハヾ(≧∪≦*)ノ〃(笑って誤魔化す)
これってレンタルされてるのかなぁ~~
やっぱり相変わらずそそっかし者でした(大苦笑)
これってレンタルされてるのかなぁ~~
やっぱり相変わらずそそっかし者でした(大苦笑)
Posted by のんきーず at 2009年12月12日 13:18
>のんきーずさん
そのとおり、DVD化されてます(^^;)
レンタルって最近使ってないのでよくわかんないんですよ。
で、PCから調べてみたんですけど、どっちもDVDでのレンタルはやってないみたいな感じです。
ただ大技で、VHS(つまりビデオ)のレンタルはあるみたいですよ。
ビデオデッキはまだありますかね?
そのとおり、DVD化されてます(^^;)
レンタルって最近使ってないのでよくわかんないんですよ。
で、PCから調べてみたんですけど、どっちもDVDでのレンタルはやってないみたいな感じです。
ただ大技で、VHS(つまりビデオ)のレンタルはあるみたいですよ。
ビデオデッキはまだありますかね?
Posted by いこう斎 at 2009年12月12日 22:43
ビデオデッキ >あります。現役バリバリですよぉ~(笑)
今までレンタルショップに行っても気にしていなかったので、次はちょっと目線変えて見てみますね♪
今までレンタルショップに行っても気にしていなかったので、次はちょっと目線変えて見てみますね♪
Posted by のんきーず at 2009年12月13日 22:40
>のんきーずさん
今はDVDが主力なんでしょうけど、いまだにビデオレンタルもやってるんですね。
案外掘り出し物があるかもしれませんね。
今はDVDが主力なんでしょうけど、いまだにビデオレンタルもやってるんですね。
案外掘り出し物があるかもしれませんね。
Posted by いこう斎 at 2009年12月14日 10:41
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